後期高齢者の歯の平均値は約16本で、約3割の人が総入れ歯を使っていると言われています。ひと昔に比べると歯を失う数は少なくなっていますが、国際的にみると日本人の高齢者は、比較的歯が残っていないデータがあります。
一人あたりの歯の数の平均値
年齢階級にみた一人平均現在歯数は以下の通りです。
図:年齢別の歯数
上図は、2016年に行われた全国調査(歯科疾患実態調査)における一人あたりの歯の数(一人平均現在歯数)を年齢階級別に示したものですが、高年齢層ほど値が低く後期高齢者(75歳~)では、本来持っている歯の数(28本)の半数近くが失われています。(後期高齢者で20本以上の歯を持つ人は46%です。)
言い換えると、日本人は70歳を超えるとく14本近くの歯を失っていることになります。極端に言えば、上の歯をすべて失って総入れ歯が入っている状態です。信じられないかもしれないですが、これが日本の現状なのです。
若い方にとっては、まだ実感があまりないかもしれませんが、歯の数が多いということは、生活の質にも影響します。例えば、80歳の時点で、21本の歯があれば、それほど不自由を感じず、一生自分の歯で食事を楽しむことができます。つまり、入れ歯の作製、お手入れ、つけ心地の違和感などといった不便を、一生感じることない人生が送れるのです。
食事を楽しめるということは、しっかり噛んで食べられることで、栄養や健康面へも影響があることは言うまでもありませんね。生活に不自由のない歯があることで、日常の楽しみも大きく変化してくることでしょう。
また、予防のために定期検診に通っていると、お口の健康が守られるのはもちろん、そのほかにもさまざまなメリットが得られます。
1.虫歯や歯周病の発症を防ぐ
予防処置によって虫歯や歯周病の発症を防ぎ、お口の健康を維持することができます。
2.費用負担を少なくできる
症状が悪化してからの治療では、通院回数も増えます。予防によって治療を不要にできれば、トータルの費用負担も少なくできます。
3.治療の痛みを軽減できる
定期的に歯科医師のチェックを受けることで、早期発見・早期治療が可能になり、治療が簡単に済むため痛みも軽減できます。
自分の歯が少なくなると、失った歯を入れ歯やインプラントで補う生活を余儀なくされます。若い皆さまにとっては、まだまだ先のことと思っている方も多いことと思います。
しかし、若いころの口腔ケア次第で、将来に残せる歯が増えることは紛れもない事実です。予防歯科では、皆様の大切な歯をできる限り長く残すため、年齢問わず主に次のような予防処置を行っていきます。
定期検診
患者様のお口の状態に合わせて期間を設定して定期的にご来院いただき、歯科医師や歯科衛生士の手でお口の状態をチェックしたり専門的な予防処置を行ったりします。治療を不要にするため、また早期の治療を可能にするためにとても重要です。
PMTC
歯科医師や歯科衛生士が、専用器具を使って日ごろのブラッシングでは取り除けないプラーク(歯垢)や歯石を徹底的に取り除く処置です。虫歯や歯周病の予防になるのはもちろん、軽度の着色汚れを落としたり、口臭を予防したりするうえでも効果があります。
TBI(ブラッシング指導)
お口の中の状態は一人ひとりまったく異なります。そこで口腔衛生のプロである歯科衛生士が、年齢や口腔内環境に合った正しいブラッシングの方法を指導します。「きちんと汚れを落とせるブラッシング」を継続しましょう。
フッ素塗布
歯質を強くし、虫歯への抵抗力を高める効果を持つフッ素を、歯の表面に塗布して虫歯予防につなげる処置です。虫歯になりやすいお子様の乳歯はもちろん、大人の方の永久歯にも効果があります。
繰り返しになりますが、歯の健康を長く保つには、痛くなってから治療をするより、痛くならないよう定期的にメンテナンスを行う予防が、やはり重要です。当院は歯科衛生士が常勤しておりますので、いつでもお気軽に歯のメンテナンスをしていただけます。歯が痛くなる前に、ぜひ歯医者さんをご利用ください。
お一人おひとりに寄り添う予防指導
メンテナンスや定期健診でご予約をいただいた際にはしっかりとお時間をとり、お一人おひとりていねいに歯のクリーニングをいたします。歯磨きやそのほかのご相談にものらせていただきます。気になることがございましたら、お気軽にお話しください。
充実した検査・予防処置
日本歯周病学会認定医の在籍する歯科医院として、当院は特に歯周病の治療・予防に力をいれています。ご予約の時間内に、歯周ポケット・口腔内写真・染め出しなど、皆さまの状態にあわせた十分な検査、丁寧な歯のクリーニングを行っていきます。
保険適用となる予防処置の範囲が広い
かかりつけ歯科医機能強化型診療所(か強診)の施設基準を取得する当院は、歯周病の重症化予防に取組んでおります。か強診の当院では、通常は3ヶ月に1回、保険適用となる予防処置「歯周病の治療が一端終了した方へ、予防のための検査、歯のクリーニング」「初期の虫歯・虫歯になりような歯へのフッ素塗布」が、毎月、保険診療の範囲で行うことができます。